人権標語を作るなら、「思いやり」の視点を加えるのがコツです。そもそも「思いやり」がテーマの人権標語コンクールも多いですよね。
では、さりげなく「思いやり」をこめた人権標語は、どうやったら作れるのか。
思いやりを表現する言い回しやフレーズ、思いやりがテーマの人権標語の作品事例、作り方のコツまでドーンと紹介します!
人権標語に「思いやり」の視点は重要!
人権標語は、人々が人権について考え、理解を深めるための重要なきっかけです。その中でも、「思いやり」の視点は特に大事!
「思いやり」を感じさせない人権標語なんて、何の意味があるの・・・?と言いきれるくらいです。
まずは人権標語に必要な「思いやり」とは、何なのか整理!
この知識が頭に入っていると、簡単に「思いやりがテーマの人権標語作り」がやりやすくなります。
人権標語に使える「思いやり」に関する言い回しはココから飛べます
人権標語に必要な「思いやり」とは?
「思いやり」は、他人の立場や感情を理解し、それに対する敬意を表現する能力のこと。これは、人権の尊重と密接に関連しています。
人権とは、すべての人が生まれながらにして持つ、尊厳と平等を保障する権利です。これを尊重するためには、他人の立場や感情を理解し、それに対する敬意を持つことが必要だからです。
「思いやり」の視点を持つことで、人権標語がより深い意味を持つようになります。
人権標語は、単に人権についての知識を伝えるだけでなく、人々が人権について深く考え、行動を変えるきっかけを提供することを目指すもの。ここに「思いやり」の視点が入れば、それだけで他人の立場や感情を考慮することの重要性を強調できます。
人々が人権についてより深く考えるきっかけ作りになる
「思いやり」は、人権標語に共感を呼ぶ
これは、人権標語を作るためのテクニカルな話。
「思いやり」の視点があると、その人権標語に人々の共感を呼びやすいです。
人権はすべての人が持つ普遍的な権利であり、人権標語は、その普遍性を反映するべきです。「思いやり」の視点を持つことで、多様な人々の立場や感情を考慮に入れ、より多くの人々に「自分ごと」として共感を呼び起こせます。
思いやりが感じられない人権標語は、単なる独りよがりの正義。胡散臭いスローガンに過ぎません。
「思いやり」テーマの人権標語を簡単に作る方法・コツ
人権標語を簡単に作るコツを紹介
人権標語は、ごく短い文章でまとめるのが基本。そして俳句や川柳、短歌ほどではありませんが、人権標語にも暗黙了解の「型」があります。
簡単な作り方はこちら。
【思いやりテーマの人権標語の作り方】
- 情景を思い浮かべる
- 思いやりに関する「言い回し」「フレーズ」を決める
- その「思いやりキーワード」に文章の肉付けをする
イチから考えるのは大変ですが、作り方のコツを知っておくことで、慣れれば短時間に簡単に作れるようになります。
【人権標語を作るコツ】
- 韻を踏む: 言葉の響きが似ていると、リズム感が生まれ、記憶に残りやすくなります。
- 文頭にお願いや命令形を入れる: これにより、何を求めているのかが一目でわかります。
- 反語型を取り入れる: 「忘れてませんか?」や「考えましたか?」のように、伝えたいことを質問形式にすると、注意喚起の効果があります。
それでは次に、「思いやり」の具体的な言い回し・フレーズを紹介します
人権標語に使われる「思いやり」に関する言い回し・フレーズ
人権標語を作るとき、すぐに使える「思いやりを表現する言い回し・フレーズ」をまとめました。
小学生向け~中学・高校生が使って違和感のないもの、一般的に誰でも使いやすいフレーズの順にどうぞ!
小学生におすすめ!人権標語に使える「思いやり」言い回し&フレーズ
- 友達の気持ちを考える
- 優しく話す
- 困っている人を助ける
- みんなと仲良くする
- 違う意見を尊重する
- 友達の成功を喜ぶ
- みんなが楽しめる遊びを考える
- 友達の悲しみを共有する
- 一緒に問題を解決する
- 違う考え方を認める
中学生・高校生向け!人権標語に使える「思いやり」言い回し&フレーズ
- 友達の視点を理解する
- 互いの違いを尊重する
- 困っているクラスメイトを支える
- 他人の成功を心から祝う
- 自分の意見を押し付けない
- 友達の悩みを共有する
- 一緒に解決策を考える
- 他人の感情を尊重する
- 傷つけないように配慮する
- 公平な判断をする
- 他人の違いを受け入れる
人権標語で「思いやり」を表す言い回し&フレーズ
- 心からの理解
- 感情の共有
- 手を差し伸べる
- 優しさを示す
- 共感する心
- 心の広さ
- 感じ取る力
- 対話を尊重する
- 違いを認める
- 慈しみ深い態度
- 寛容な心
- 温かい態度
- 理解深い視点
- 共有する喜び
- 敬意を持つ
- 心からの援助
- 思慮深さ
- 親切な行動
- 慈悲深い視点
- 包容力を持つ
欲張らず、ひとつか二つに絞るといいですよ!
【人権標語】思いやりがテーマの作品・事例
「思いやり」の言い回しやフレーズ、ではどうやって組み合わせて人権標語を作ればいいのか。
実際の作品例を紹介します。いずれも自治体が公募した「人権標語コンテスト」で入賞した作品ばかりです。
小学生の作品事例:人権標語(思いやりがテーマのもの)
いやなこと 人はそれぞれ ちがうんだ
高山市人権標語
ぼくたちが明るい未来へ進む道いじめ、差別立ち入り禁止
松山市人権標語
ツライ時 だれかに言おう その勇気
高山市人権標語
いえるかな じぶんのしたこと むねはって
松山市人権標語
「ありがとう」 やさしさ感じる まほうの言葉
高山市人権標語
小学生の人権標語は、自分と身近な人たちの人間関係への「思いやり」が表現されていますね!
中学・高校生の作品事例:人権標語(思いやりがテーマのもの)
小学生に比べると、格段に視野が広がった印象なのが中学・高校生が作る人権標語。「思いやり」を表現する方法も、かなり幅が広がってきます。
つながろう ネットじゃなくて 自分の言葉で
南島原市人権標語
個性の色 みんな合わせて虹にする
松山市人権標語
見過ごさぬ いじめという名の モンスター
南島原市人権標語
自分が変われば世界も変わる 言葉で心で行動で
松山市人権標語
成人・一般の作品事例:人権標語(思いやりがテーマのもの)
人権標語は、長々と語っては心に響きません。シンプル イズ ベスト。
平易な言葉のチョイスですが、「思いやりが大切」と真っすぐに伝わってきませんか。
見ないふり やめたらあなたも 踏み出せる
鳥取市人権標語
発する前に一呼吸 言葉の重みと相手の気持ち
鳥取市人権標語
あいさつで 心つながる 地域の輪
高山市人権標語
思いやる 言葉一で 明るい社会
高山市人権標語
人権標語で思いやりを表現しやすいテーマ
小学生の作る人権標語なら、「自分と友達」「自分と親」「自分と兄弟姉妹」への思いやりを表現するだけで、十分に微笑ましい作品が完成します。
でも、中学・高校生や成人部門では、もう少し広い視野がほしいところ。
人権標語で「思いやり」を表現しやすいテーマを紹介しますね。
逆に言えば、「思いやり」が足りてない領域
差別の撤廃
人種、性別、宗教、国籍などに基づく差別をなくすこと。人権標語では基本中の基本。
ダイバーシティ(多様性)
人々の違いを認識し、尊重すること。外国人の雇用や男性の多い職種への女性進出、発達障害を抱えた同僚、ジェネレーションギャップもここのカテゴリーですね。
ハラスメント防止
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの防止。
最近ではマタニティハラスメント、部下から上司へのハラスメント、悪臭に関するスメルハラスメント、中年男性をターゲットにした「おじさんはいらない」ハラスメント・・・と、バリエーションも様々です。
子どもの権利
子どもの生存、発達、保護、参加の権利を保障すること。
近年では、小学生~大学生までの年代で、家族を介護している「ヤングケアラー」も社会問題化しています。そして貧困の連鎖も・・・。
障碍者の権利
障碍を持つ人々の社会参加や自立を支援すること。
特に不景気になると、障碍者の職は選択肢が少なくなります。
性別の平等
男性と女性が平等に権利を享受できる社会を目指すこと。男尊女卑の思想からくる不利益は、なかなか減っていきません。
男性だって、大黒柱になる他に選択肢のない社会は辛いでしょうに・・・、ねえ。
LGBTの権利
性的少数者(LGBT)の権利を尊重し、差別をなくすこと。ここ10年の間にかなり理解が深まった感はあるものの、まだまだ成熟してはいません。
テレビの中の芸能人はOKでも、自分の兄弟姉妹あるいは娘・息子がカミングアウトしてきたら・・・?
他人事にしてはいられない、人権領域のホットなテーマです。
コメント
コメント一覧 (4件)
思いやりと人権は別物です。日本では混同されています。
人権は生まれながらに一人ひとりが持っている物であり、他人に左右される物ではありません。人権は思いやりと一緒だと考えているうちは、日本人が真に人権を主張するようになるのは 難しいでしょう。
ご意見をありがとうございます!
こうやってご指摘下さることで、この記事を読んで下さった方の気づきにもつながるはず。
今回は人権標語作りのテクニックとして、「思いやり」ニュアンスをダイレクトに感じさせる方法を紹介しました。
そして前提として、人権標語そのものが「人権理解に疎い層」への働きかけを目的としたツールのひとつであると解釈しています。
ただ人権標語を評価する側(コンクールの審査員側)・作る側双方、そして私も人権に関する更なる学びは課題ですよね・・・。
他の記事にもご意見をぜひ~(#^.^#)
>>こうやってご指摘下さることで、この記事を読んで下さった方の気づきにもつながるはず。
あなたが気づいていないんじゃないですか?
KSさんの言われる通り、「思いやり」という言葉のニュアンスから人権標語では多様されていますが、そもそも人権標語が募集されている意図は、差別について考え、その先にある解消を目的としています。そのため、思いやりで差別がなくせると誤解を生む捉え方が改めなければ、人権問題は解決はしないでしょう。思いやりは「共感」と「同情」で成り立っており、思いやりを抱く人のサジ加減で、思いやりが向けられるかどうかが左右されます。つまり、自分が気に食わない属性であるマイノリティに対しては、思いやりを向けにくいあるいは、向けないという現象が起こるのです。それが例え、差別をされている人であったとしてもです。
>>人権標語そのものが「人権理解に疎い層」への働きかけ
とありますが、そもそも多くの人々は人権問題に無関心であり、無関心だからこそ、人権問題を身近に引き込まない選択しています。このような思考をする人は罪悪感から逃れるように「思いやり」を口にするのです。「思いやり」させ口にしていれば、人権問題を考えていると言い逃れができるからです。
ブログで閲覧者を増やしたいのはわかりますが、間違った捉えを拡散しないでいただければ幸いです。
コメントありがとうございます。
色々な意見があることは否定しません。